かずおのスピーチ辞典 デリバリー編

 

Delivery (デリバリー) とは、作ったスピーチを効果的に表現する技術です。では、デリバリーってどんなものがあるのでしょう?

Verbal delivery (音声面のデリバリー)

Non-verbal delivery (非音声面のデリバリー)

 

Verbal delivery (音声面のデリバリー)

1. 声量

 聴衆のみんなに聞こえるように、腹式呼吸で大きな声を出す。

 ただし、「大きな声を出す」のは、「叫ぶ」のではない。

 声の大小の変化をつける ( 大切な部分で声の大きさを変えると効果的 )。

2. Speed (速さ)

 速さに変化をつける ( 大切な部分はゆっくり、そうでないところをさらっと読むと効果的 )。

3. 声の質

 正しい姿勢を保つことにより、声の質も上がる。

4. Pause(間)

 スピーチと前後の挨拶の間、段落の間、文の前後、意味の切れ目でPauseをおく。

 Pauseの種類とPauseの効果

 小休止(1呼吸分)・・・文の間 (特に逆接の前) → 強調、余韻を持たす

          大事な言葉、大事な文の前後 → 強調する

 中休止(2〜3秒)・・・ Speechを始める前 → Audienceの注意を引く

          スピーチの終わり → Speechに余韻を持たす

          質問の後 → 考える時間を与え、反応をみる

          段落の変わり目 → 流れをスムーズにする

 大休止(3〜5秒)・・・内容が大きく変わる段落の変わり目 → Speechの流れをスムーズにする

 

腹式呼吸の練習法の例

1. 肩幅に足を開いて姿勢良く立ち、肩の力を抜く。

2. 空気を全て吐き出してから、ゆっくりとお腹を膨らませながら鼻で息を吸う。

3. 少し息を止めた後、ゆっくりとお腹の空気を出しながら、口から息を吐く。

4. 吸う、止める、吐くを4つずつ数えて行う。

 

[腹式呼吸(横隔膜呼吸)と胸式呼吸](参考 : あるある大事典第128回『呼吸』)

▼横隔膜呼吸(腹式呼吸)

息を吸う時、横隔膜が下がる。お腹が出る。

息を吐く時、横隔膜が上がる。お腹が凹む。

 

▼胸式呼吸

浅くて早い呼吸の原因。横隔膜は殆ど使わずに胸の呼吸筋を主に使う。

胸の回りの呼吸筋は肋骨の下にあるので、動かしにくく肺も膨らみにくい。

 

▼横隔膜呼吸(腹式呼吸) 胸部(肺)を縦に広げる→横隔膜が自律神経を刺激し、 血行を促進する。→

●内蔵が活発化する。

●冷え性、肩凝りなどが 改善される。

 

▼胸式呼吸 胸部(肺)を横に広げる→胸が圧迫され、その周辺の筋肉が動かなくなり血行が悪くなる。→

●浅い呼吸となる。

●酸素が脳や心臓に行き渡り にくくなる。

[正しい腹式呼吸とは?]

1. 肺の中の空気を全部吐く

2. 息をこらえる(約1秒)

3. お腹を膨らませながら、鼻から息を吸う(約3秒)

4. 吸った時の2倍の時間で吐く(約6秒)

5. それを繰り返す

* 吸う時よりも、吐く時の方が気管支の幅が狭くなっている。気管支に負担をかけない為にも、ゆっくりと吐く。

 

[簡単な横隔膜呼吸練習法]

<スポーツ吹き矢>

様々な呼吸法を試すうちに、スポーツ吹き矢に辿り着いたという人もいる。呼吸筋をフル活動して行うスポーツ吹き矢。続けることで、横隔膜をはじめとする呼吸筋を鍛えられるという。

「これをやることによって、身体全体の呼吸に関する筋肉全てを使う。」 (弘邦医院院長・医学博士/林 督元 先生)

「冬場など手先が冷えるんですけれど、吹き矢を始めたお陰で、普段の呼吸から気をつけるようになったので、冷え性が少し改善された。」(Tさん、36才主婦)

<ピロピロ笛> 息を吹くと、とぐろのように巻かれていた紙の部分が伸びる子供の玩具、ピロピロ笛。このピロピロ笛で吹き矢と同じ効果が得られる。ここでも鼻で吸って口から吐くのが基本。横隔膜の動きを意識して行う。やり方は簡単。

1. 肺の中の空気を全部吐く。

2. 3秒で鼻から空気を吸う。

3. 6秒でピロピロ笛を吹く。

4. 20回以上繰り返す。

横隔膜呼吸が身体の隅々まで及ぼす効果を再認識すべし

 

Non-verbal delivery (非音声面のデリバリー)

1. Eye-Contact (アイコンタクト、略してアイコン) 

 スピーチは、コミュニケーションが一方的になりがちなので目で語り合う。(O.O)(@_@)(O.O)(@_@)

 相手側の反応は、目や顔の表情で表されるのでそれを見ながら話し方を変える。つまり、英語が早すぎたり退屈だったりすると、Audience(オーディエンス、聴衆)の目や表情に反応が現れるので、その反応によって、スピード調整をしたり、ポーズをおいたりする。

 少なくとも一文を読んでいる間は、視線を動かさない方が良い(一人の目を見る)。

 できるだけ多くの人の目を見る(後ろの方の席の人まで見る)。

 目の移し方は、自分の好みでしていいと思う。視点を右、左、正面の3点に決めるもよし。(ただし、あまり機械的に動かすと「扇風機」のようになる。) 8の字や∞(無限大)を目線で描くように目を移してもいいと思う。(((‥ )( ‥)))
 

2. Facial expression (表情)

 スピーチの内容に合わせて、表情を変えるのは基本。堅い内容でなければ、基本的に少し笑顔でするのがいいと思う。

 スピーチ前後のチェアパーソンへの挨拶は、スピーチの内容にもよるが、にこっとするといいと思う。

 スピーチ中に間違っていても顔に出さないでごまかせ ! (^^; いかにも今、「間をとった」だけだよって感じでごまかす。(^^;;; その為には、沈黙の後の文を速く読むか、ゆっくり読むか、どちらかしてみる。試しにやってみて下さい。「いかにも」その文を効果的に表現するために間をとったように聞こえますから。

 

3. Gesture (Body Language, ジェスチャー、身振り手振り)

 Gestureは、日本人よりアメリカ人の方が大きいので英語のスピーチでは、大きくする。

 自然なGestureを心掛ける(不自然、不必要な動きをしない、ワンパターンにならない)。

 やりすぎず、大事なところだけに絞り、堂々とする。

 物の大きさを表すときに手を使って表すなど、工夫する。

 

4. Posture (姿勢)

 手は、自然に垂らすか、前で組むか、軽く机の上に置くか。足は、肩幅に開く。

 片足に重心をかけたり、机にもたれたり、体をふらふら左右に動かしたりしない。

 

5. 立ち位置

 マイクから少し離れる

 近づきすぎると声が大きすぎ、かつ破裂音(p, t, k などの破裂させて出す音のこと)をマイクが拾ってしまうので耳障りになる。

 

6. Confidence (自信)

 多少、納得のいかないところがあっても、本番では思い込みが大事。

 発音が他の人より劣っていても、自分しか持っていない自分の「味」(個性)を最大限に出して勝負 ! (発音だけがスピーチではない ! )

 トップスピーカーが10人集まって同じ内容のスピーチをしても、同じスピーチにはならない。一人一人が一人一人の「味」をもっている。

 会場を自分のものにすることが大事。自分の世界を作ってしまうのです !

 

7. Sincerity (誠意)

 皆に、この主張を伝えたいという誠意を感じてもらう。

 

8. Manner (マナー)

 始めに席を立ってから最後に席に着くまでがスピーチ。壇上でのスピーチが終わったからと言って、だらだら歩いていると、減点の対象になる。背筋を伸ばして堂々と歩こう !

 

9. 身なり

 聴衆や審査員の中には、服装でスピーカーの質、能力、態度を自分なりに判断する人もいるので、清潔感を与える服装を心掛ける。

 

10. ちょっとしたコツ

 デリバリーがどうもうまくできない人は、まず、日本語で同内容のスピーチをするつもりでデリバリーを考えて、それを英語でも同様にやってみると良いと思います。

 

最後に・・・

デリバリーは、膨大な練習量をこなして、全く練習してないように自然に見せることです。(^^)

 

[かずおの雑談]

私の指導した後輩で、声が小さい女の子がいました。大会を翌日に控え、ボイスコントロールで一から鍛え直す時間も無く、さらにデリバリーもできない。そこで私がしたアドバイスは、「スピーチの強調したい部分で少し前にかかんで、口をマイクに近づけよう」でした。本番当日、そのことを実践してくれました。多少耳障りではありましたが、一応、強調したい部分で普段は小さい彼女の声が教室全体に響き渡りました。結果は、本人も私も驚く3位入賞。時に無茶なアドバイスが功を奏するものです。(^^;

 

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