英語圏にいるだけで英語が上達するか?

 

「英語圏にいるだけで英語が上達する」と思って英語圏に行く人が結構いると思います。この質問に「はい / いいえ」と一言では答えられません。それは次の要素が関わってくるからです。

英語上達を左右する要因

1. その人の英語のレベル

英語圏に行く前の英語のレベルはかなり大きく左右します。英語の基礎的知識が無い人は、一年の留学の成果は、おそらく英語に対する抵抗感がかなり弱まり、何とか片言の英語で伝えようとする気持ちが強くなるということではないでしょうか。英語の基礎的知識があるのに話せない人は、「英語圏にいるだけである程度話せるようになる」と思います。英語が既に話せる人は、留学でかなり英語が伸ばせる可能性を秘めていますが、その一方で、学ぼうという姿勢が無ければ、元々話せるわけですから、ほとんど伸びずに終わってしまいます。

2. その人の態度

当然、英語を学ぼうという気持ちが強いかどうかにもよります。よく言われていることですが、日本人同士で固まり、常に日本語で話していてはなかなか英語が上達しません。ただ、これはある程度仕方ないことで、語学学校の低レベルのクラスに入ると、日本人がほとんどで、みんな日本語で話しているので、日本語無しでは友達ができないからです。

僕の友達の日本人で、英語がかなり話せるのに文法を知らないというだけで、初級者クラスに入れられた人がいます。彼女は、日本語を話したくないので、常に英語で話そうとしていたようですが、それでもクラスメートは、みんな日本語でしか話さなかったようです。結局、彼女は、日本語をあくまでも話さず、友達が一人もできなかったようです。

また別の日本人の友達は、英語が流暢に話せるのに日本人同士では日本語で話しています。既に英語が話せるから、日本人同士なら日本語で話してもいいだろうということでしょう。僕は常に英語で話すようにしていますが、理由が3つあります。

まず、授業以外で日本語を話せば、それは日本でもできることです。日本で英会話学校に通い、授業外は日本語。何ら変わりはありません。せっかくオーストラリアに来て英語を勉強しています。何の為にわざわざオーストラリアに来ているのか。やはり常に英語を話すという環境に身を置くのは大切だと思います。

次に、日本語で話すのを良しと妥協すれば、日本人の友達が増えていき、付き合いも増え、日本語を使う機会はどんどん増えていくような気がします。もちろん人によるでしょうが。一度妥協してしまっては、いろいろなところで妥協が増えていくと思っています。

最後に、僕は英語で話している時、うまく表現できないことが頻繁にあります。もちろん、そういう時は他の表現で置き換えているので、聞いている分には普通に流暢に話しているように聞こえるかもしれませんが、その場により合った英語表現を使えていないのです。そういう表現は、その会話が終わった後に、常に持ち歩いているメモ帳に日本語でメモしています。或いは、家に帰った後に一日の会話を振り返って言えなかった表現を思い出します。そして、辞書で調べるのです。日本語で話していては、せっかくの「自分のうまく言えない表現」を見つける機会を失ってしまうのです。

[補足] 友達で日本語教授法を勉強している人がいますが、その人たちが日本語を話すのは十分に理解できるので例外です。それに留学の目的に英語力の上達を含まない人も例外です。英語力上達を目標にしてオーストラリアに来て、常に日本語を話しているのをどうかと思うのです。

3. その人の環境

語学学校に行くのか、大学に行くのか、仕事をするのかによってもかなり違います。語学学校では、毎日聞くのは、留学生の英語と先生のゆっくりとした分かり易い英語だけなので、ある程度上達はするでしょうが、授業外で何かしないと、ネイティブの英語には歯が立ちません。大学では、その点、ネイティブに触れる機会も多く、上達も早いでしょう。ただ、大学院では、授業数が少なく、そうもいきません。やはり授業外での努力が必要です。大学のプログラムにもよるでしょう。一番いいのは、高校に行くことでしょうが (毎日たくさん授業がある)、このホームページを見ているほとんどのみなさんは、そういう年齢ではないでしょう。仕事に関しては、経験が無く、どれだけ英語力が伸びるかは不明です。職種にもよりますし。

 

かずおの英語上達

僕は、こちらに来てからTOEIC900点を越えましたが、だからといって、「英語圏に行けば英語が上達する」ということではありません。僕がTOEIC900点の為にした勉強は、日本でもできる勉強で、学校の授業とは別にしたことばかりです。大学院で学んだことや宿題で本を読んだりエッセイを書いたりといったことは、残念ながら、ほとんどTOEICのスコアアップには役立っていません。

[関連リンク (かずお Q & A より)]

英語教授法では、英語を勉強していたのですか?

応用言語学では、英語を勉強するのですか?

英語で困ることはありますか?

英語力は伸びましたか?

オーストラリアでは、英語のみの生活をしているのですか?

 

英語圏のメリット

もちろん、英語圏にいるからこそ英語が上達し易いということはあるかと思います。それは、3点、理由を挙げてみます。まず、フルタイムの学生なら、英語の勉強に集中できることです。日本にいれば、学生でない限り、やはり単に英語ばかり勉強するという環境は難しいでしょう。やはり仕事をしながらになるでしょうし、なかなか時間が取れないのが現実です。英語圏で、語学学校に毎日通っている人は、英語の勉強だけに集中できます。

次に、普段から英語を話しているので、当然「これを英語で何て言うんだろう」という疑問も生まれやすいです。但し、これはもちろん普段からそういう疑問を持つ姿勢がないといけません。

最後に、常に英語でテレビを見れてラジオを聞けることです。僕はラジオを多く聞いています。毎日寝る前にラジオを1, 2時間聞いています。これは日本でもできることですが (「英語学習法」のリスニング参照)、やはり現地で見たり聞いたりするのは、快適性においても気持ち的にも随分違います。

 

結論

とりあえず英語圏にいったら自然に英語力がぐんと伸びるだろうなんて妄想は抱かないで欲しいと思います。それと、英語圏に行ってから勉強しようではなくて、行く前にできるだけ勉強しておいて欲しいと思います。日本で勉強するのは効率が悪いとか、そういうことも思わないで下さい。日本でもオーストラリアでも大差はありません。僕は、たまに、日本で勉強したいと思うことがあるほどです。理由は、日本語で書かれた英語の参考書が手に入りやすいからです。こちらにも紀伊国屋があるものの、日本の紀伊国屋とは英語の参考書の数が全然違います。だから、たまに日本の本屋に行って、いろいろな参考書を手に取って見てみたいと思うことがあります。参考書の話は置いておいても、とりあえず、オーストラリアに着くまでにできるだけ基礎力をつけておいて、オーストラリアでは、できるだけ英語をたくさん話して、それに加えて自己学習もしっかりして欲しいと思います。英語の流暢性を高めるために多く話すということも大事ですし、英語の正確性を高めるために自己学習も大事なのです。両方やらないと英語力はうまく伸びません。頑張って下さい。

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