初めての韓国旅行

 

ここでは、私がシドニーから日本に一時帰国する際に立ち寄った韓国での出来事を書いています。タイトル通り、初めての韓国旅行です。

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[2003年7月9日]

シドニーから韓国ソウル行きの飛行機に乗る。いきなり韓国語でご挨拶。周りからも韓国語が聞こえてくる。席に着き、隣にどんな人が座るのだろうと思っていると韓国人の中年女性2人組。韓国語の会話が聞こえてくる。その韓国人の隣でこっそり (?) 韓国語の本を勉強していると、添乗員がいきなり韓国語で話しかけてきた。こんな場合、韓国語が出てこなかったら英語で何か言えば向こうも英語くらい話せるはず。でも、韓国語の勉強に熱中している時に急に韓国語で話しかけられたので、固まってしまい、思わず目を伏せてしまった。それを察した添乗員、すかさず英語で、"Chicken or beef?" こんな簡単なことなのに韓国語になるともうお手上げ。いきなりの挫折である。その後、隣の韓国人と少し会話の機会があって、少し韓国語を使いながらソウルに到着。

飛行機を出ると、まずは通貨の両替。1万円を韓国の通貨ウォンに両替する。そして地下鉄を探し始める。バスでも地下鉄でも宿泊予定のバックパッカーに行けると思っていたので、簡単そうな地下鉄を選ぶ。でも、いくら探しても地下鉄が見つからない。そこで、2人組の警備の人に「英語分かりますか?」と韓国語で聞く。すると少し分かるようなので、英語で話しながら案内してもらう。どうやら、地下鉄は、空港からは出てないらしい。そこでバスに乗ることにする。切符を買う時、7000ウォンと韓国語で言われてまた困る。韓国語の数字の読み方は勉強はしていたのだが、言われると分からない。それに韓国語のお金も両替したばかりでよく知らない。そこで警備員さんに助けてもらって無事切符購入。

でもまだ大きな不安があった。バスが目的地に着いたことをどうやって知るのか。警備員さんに英語で「バスで次の停留所を知らせる車内アナウンスはあるのですか?」と聞く。答えは「ありません」。シドニーでも同じくバスの車内アナウンスは無いのだが、いつも運転手さんに「着いたら教えて下さい」と言っている。でも韓国語で If節 (〜したら) なんて高度な文法を知っているはずもなく、それ以前に「着く」「教える」という単語さえ知らない。またまたお手上げ。ここでも警備員さんがそのことを代わりに運転手さんに伝えてくれて、一安心。警備員さんに「ありがとうございます」と言い、バスに乗り、ほっとして席に着こうとすると、運転手さんが「チケット」と言っている。チケットを見せて、ようやく手続き完了。やっとバスの乗り方を覚える。

右手に大きい川と赤い橋を見ながらバスで行くこと40分。運転手さんが着いたことをきちんと教えてくれ、目的地の合井に到着。手元には、地下鉄8番からバックパッカーへの行き方のメモがある。同時に「地下鉄8番に着いたら電話して下さい。すぐに迎えに行きます。」とも書いてありましたが、せっかくなので自力で頑張ることにする。バスの停留所の近くにあった駅の1番出口で果物を売っていたおじさんに「すみません、8番どこですか」と韓国語で言う。この時、僕は「出口」という単語を知らなかった。その質問に「モルゲッセヨ (だったかな?)」という答えが返ってくる。韓国語を4日間の詰め込み勉強しかしてなかった僕は、これを「(そんな出口)ありません」の意味だと勘違い。パニックに陥る。でも後で分かったことだが、本当は「ありません」ではなく「分かりません」という意味だった。すごい覚え間違いである。無い出口でも他に行く当てはないので探さないといけない。駅員さんに同じことを聞く。指を差して方向を示してくれ、その方向に行ってやっと8番出口発見。そこから地図を見ながらバックパッカーに向かうも、途中で迷ってしまう。地図の中の"PC Cafe"というのが見つからないのである。そこで歩いていた人に「PC Cafeどこですか?」と地図を見せながら韓国語で聞く。分からない様子。考え込んでいたその人は突然遙か前方を歩いていた近所の知り合いと思われる人に大声で「ちょっとこっちに来て」みたいなことを言っている。すぐにその人が来て、二人でどこだろうと会話している。どこに行くのだと改めて聞かれ、実は"Kim's guest house"と答えると、「ああ」といった様子で「ついて来い」みたいなことを言っている。ついていくことわずか30秒。"Kim's guest house"に到着。ノックをして出てきた子供に"Kim's guest house?"と聞くと、オーナーを呼びに行った。オーナーのSunnyさんが日本語でお出迎え。韓国語、英語、日本語のできる方である。後で戻ってくるからこの部屋にいなさいと言われる。

一泊1700円の激安ドミトリーに入る。17000ウォンなんてウォンで聞くと高く感じるが、わずか1700円である。女性が2人。聞くと両方アメリカ人。英語で自己紹介とこの日あったことなどを話した。その後、Sunnyさんと僕のネット友達のKakuraさんの話をする。元々、このドミトリーは、Kakuraさんがしばらく住んでいて、僕に紹介してくれたのである。Sunnyさんは、Kakuraさんの名前を出すなり興奮気味。少し話した後、部屋に戻り、またルームメートの2人と話していた。するとSunnyさんがまた来て、僕に電話だと言う。相手は誰か見当がついていた。こんなところに電話してくるのは一人しかいない。僕がシドニーに行った時、最初に英語教授法を一緒に勉強した僕の韓国人の友達からの電話である。久しぶりに聞く声。約1年半ぶりの会話に花が咲く。韓国語、英語、日本語のできる彼女だが、英語で話した。翌日待ち合わせの約束をして電話を切る。

夜、ルームメイトの一人が近くを案内してくれた。途中、ある定食屋さんのおばちゃんに彼女が呼び止められる。どうやら顔見知りらしい。会話を聞いていると、彼女の韓国語レベルは日常会話レベル。多少辿々しいながらも何とかコミュニケーションをとれるレベル。後で戻ってくると言ってその場を離れる。2人でバックパッカーに戻る。お腹が空いたので、今度は僕1人で外出する。夜、遅い時間だが、まだ店は結構空いている。どこがいいのか分からないので、さっきの定食屋さんに行く。座敷のみのところである。会社員の団体20人くらいが右端に固まって座って食べている。それ以外は誰もいない。僕は、少々居心地悪そうに左端の方に座る。「メニューは?」と聞くと、「メニューは無い」と言われる。そこから大変。おばちゃん2人の説明が始まる。一言も分からない。書いてくれたりして必死に説明してくれるが、書いてくれてもその単語を知らないのだから全く意味が無い。プルコギがいいとお勧めされ、Kakuraさんからもプルコギはおいしいよと聞いていたので、プルコギを注文する。サイドディッシュ (おかず) がたくさんついて700円。このプルコギがおいしい!! (^^) でも他のサイドディッシュは、そんなにおいしくなかったり辛すぎたりでいまいちだった。

バックパッカーに帰るとルームメートはもう寝ている。僕もシャワーを浴びて寝ることにした。

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[2003年7月10日]

この日は、7:30くらいに起きる。シャワーを浴び、朝食を食べ、8:30に家を出る。1700円で朝食付きとは本当に激安である。この日の計画は、韓国に行ったことのある友達のお勧めコース。

初めての地下鉄。まずは会賢(南大門市場)への切符を買う。最短ルートで8駅だが、値段を見ると700と書いてある。「ちょっと高めだな・・・ん、待てよ、これは円じゃなくてウォンだ。」700ウォンは70円。70円か80円でかなり遠くまで行けるのである。安い・・・。ソウル地下鉄は、多くの線が複雑に絡み合っている。どう行ったら一番いいのか駅員さんに聞くことにした。「英語分かりますか?」と韓国語で言うと「分からない」とのこと。そこで、"Changeどこですか?"と手元の地下鉄路線図を指差しながら韓国語で聞く。Changeはもちろん英語である。この時から分からない単語だけ英語で、他は韓国語で話すという術を覚える。すると駅員さんも路線図の駅の一つを指差しながら、"Change, change "と言ってくれた。初めての電車に乗る。電車は日本の電車の韓国版。日本語がハングルで書いてあるというだけで、電車の中の様子はそっくりである。寝ている人、携帯でメールをしている人、人まで同じ雰囲気である。

会賢(南大門市場)に到着。駅を出たところで、あまりにも荷物が重いのでコインロッカーに預けることにする。英語の分からない駅員さんに「コインロッカーありますか? どこですか?」と韓国語で聞く。すると、駅の中を指差している。でも僕は今、改札から外に出てきたところである。中にあるのでは困る。でもそれをどう伝えればいいのか分からない。今考えると、「切符が無い」と言えば、ある程度は伝わったのだろうが、その時は、それが頭に浮かばなかった。結局、「コインロッカーは、中にありますか? 中に?」と韓国語で言っただけであった。彼は電話していた。誰かを呼んでいるようだった。でもはっきりしない。待っていれば誰かが来るのか、それとも全然関係ない電話なのか。仕方がないので、また拙い韓国語で、「私待って?」と言った。「待つのですか」とか「待っていればいいのですか?」という韓国語が分からなかったのである。でもその質問にうなずいた。あっ、少し待ったら英語の分かる人が来るんだなと思い、待つこと約5分。中年女性の駅員さんがやって来た。早速英語で話しかけた。でも全然通じていないようである。窓口の駅員さんは、切符売り場から動けないので別の駅員さんを呼んだだけで、その駅員さんが英語を話せるわけではなかった。でも中に入りなさいと通してくれ、やっとコインロッカーにありつけた。でも韓国式コインロッカーの使い方が分からない。絵と共に韓国語で説明してあるけど、いまいち分からなかった。後で気付いたのだが、日本語の説明が脇にあった。でもその時はよく分からなかったので、歩いていた会社員に、コインロッカーを指差しながら、英語で"Help"の一言。親切にもやってくれた。身が軽くなったところで南大門市場へ。見て回っていると、店員がたまに話しかけてくる。年輩の人だと、たまに日本語で話しかけてくる。若い人なら英語の方が通じるけど、年輩の人なら英語よりもむしろ日本語の方が通じる。これはみなさんご想像の通りである。特に何も買わずに一通り見たら、今度は明洞へ歩く。「明洞どこですか?」と聞く。もう「どこですか」という表現は使い慣れてお手の物である。明洞に着き、友達お勧めの店「明洞餃子」を探す。地図も無ければ「明洞餃子」の発音も分からない。友達お勧めの食べ物の名前も分からない。分かっているのは、「明洞餃子でうどんの中に餃子が入った食べ物を食べた」という情報だけである。10分くらい歩いただろうか。それらしい店は見つからない。いくつか「草なぎ剛が来た店」みたいな店があった。中には草なぎ剛の写真を出している店もあった。別にだからと言って入ろうとは思わず、もう少し歩いた。すると、旅行案内所を発見。中に入ると20代の女性が3人。「英語は出来ますか?」と聞くと、真ん中に座っていた女性が自信を持って"Yes"と言う。この後の会話で彼女の英語力はかなり高いことが分かった。単なる帰国子女という感じではなく、表現を聞いていると、よく英語を勉強してるなという印象を受けた。彼女の説明で、明洞餃子は有名らしいことが分かる。さらに友達お勧めの食べ物は、カルクックス (韓国の手打ち煮込みうどん。日本のうどんよりは麺が細く、中に餃子が入っていた。) という名前の代表的な韓国料理だと分かった。歩くことほんの1分足らず。明洞餃子発見。友達お勧めの食べ物を注文。おいしかった。(^^)

さて、食べ終わると駅に直行。次はもう一つのショッピング街、東大門である。路線図を見ると、東大門駅と東大門運動場駅の2つの駅がある。どちらで下車するのか分からず、また駅員さんに路線図を指差しながら英語混じりの韓国語で聞く。「私は観光客です。Shoppingどこですか?」日本語に訳しても変であるが、「どっち」という単語も知らないので「どこ」と言ったが、とりあえず意味は通じた。この時、韓国語の参考書に載っていた「私は観光客です」という一見役立ちそうにない表現が非常に役に立った。自分が観光客ということによって、自分が何をしようとしているのかが伝えられるからである。東大門運動場駅に行けばいいとのこと。

東大門運動場駅に着くと、駅を出る。でもどこに行けばいいのか分からない。確かに店は並んでいるのだが、南大門駅に行った時は、駅から出るなり店が左右に密集していたのに対して、東大門運動場駅から出ると、広い道路があり、その両側に店があるという感じである。とりあえず歩くことにする。大きいビルが左に見え、その前に案内所がある。早速そこに行き、「英語を話せますか」と聞くと、"A little" (少し) という答えなので、少し韓国語を混ぜながら英語で話すことにする。僕は観光で来ているのだが、どこへ行けばいいのかと聞くと、ここら一帯がそうだと言う。店を見ながら東大門まで歩く。李朝時代の城門らしい。中には入れないとのことで、写真を撮って引き返す。東大門運動場駅に戻ると友達に電話。そこの駅で13:40頃に待ち合わせることにする。ソウルを案内してもらうためである。待っている間僕は帰りの飛行機のことを考えていた。何かおかしい。僕は、20:00ソウル発の飛行機に乗ると思っていた。でも、日本着は18:00だったような・・・。20:00にソウル発で、18:00に日本着なんてあり得ない。僕のスケジュールを確認して頂ければ、20:00ソウル発というのは、帰りのソウルからシドニーへの切符の時間であり、僕のすごい勘違いであることがお分かり頂けるであろう。そこでチケットをチェック・・・しようと思ったら不覚にもコインロッカーの中へ。

待ち合わせ場所に立っていると後ろから声をかけられた。そこには懐かしい彼女が立っていた。挨拶もそこそこに状況説明をする。そして一緒にコインロッカーのある会賢(南大門市場)に戻ることにする。コインロッカーからのバッグの取り出しをその友達に手伝ってもらい、バッグを開け、チケットをチェックする。「ひょえー」(死語)という感じである。答えは16:20ソウル発。その時、時間は14:10くらいであっただろうか。友達に「空港の仁川までここから1時間半くらいかかるよ。急がないと」と言われ、何度も何度も謝りながら、空港行きバスを探す。「こんなことは誰にでもあることだから全然気にしないで」と言ってくれた。空港行きバスを二人で待ち、数分後に来た。安心したのも束の間、すぐに一人乗ってドアが閉まり、即発車。あっという間の出来事だった。彼女はすぐにバスを追いかけ、バスの横からドアを叩き、ちょっと待ってとバスを止めてくれた。また月末に戻ってくるからまた会おうねと約束し、バスに乗り込む。申し訳なかったけど、わずか40分か50分の再会がとても嬉しかった。彼女も久しぶりに会えて嬉しいと言ってくれた。バスに乗り、空港に向かう。空港に着いたのが30分前の15:50。空港で、その友達にもう一度間に合ったことの報告の電話。ちょっと韓国語で話して驚かせてあげた。驚いたと思う、たぶん。どうでもいいが、もちろんそんなことをしている場合ではない。急いで手続きを済ませ、16:00に搭乗。実に20分前、ぎりぎりであった。彼女がバスを止めてくれなかったら、飛行機に乗り遅れていたかもしれない。こうして僕の少し苦いちょっぴり嬉しい韓国初体験は幕を閉じた。

次に行く時は、今回会った人たちにもう一度会いたい。そして「韓国語話せるようになりました」と言いたい。でも、次の滞在までわずか2週間足らず。日常会話レベルまでどうしてももっていきたいのだが、間に合うかどうかはやってみないと分からない。一つだけ言えることは、今回、1日だけでも行って良かったということである。韓国語を勉強する必要性を感じ、どんな表現を覚えないといけないのかが分かったからである。友達には27日(日)に会う予定。今度はちゃんと韓国語で話したいと強く思っている。

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